




近代国家への道を歩む明治政府は、宮中における饗宴を外交手段に用いました。天皇家だけでなく、各宮家、政府高官の役職を担った華族家などでも盛んに饗宴が催されました。そのような饗宴、とくに慶事の正餐の際に小さな引出物が配られる慣習が生まれました。この引出物は現在「ボンボニエール」と呼ばれています。
ボンボニエールという名称は、フランス語の「ボンボン入れ」bonbonnièreに由来するもので、その名が示す通り、中には小菓子が入れられます。本体は概ね銀製で、華やかな意匠工芸が施され、家紋があしらわれることも多くあります。現在の皇室においてもこの工芸品を引出物とする慣習は続いています。
当館では現在250点余のボンボニエールを所蔵しています。これまで「男爵物語」展 「是!」展 「桜圃名宝」展 などにおいて、数点ずつ展示公開をしてまいりましたが、アンケートでもご要望が多いボンボニエールを、この度一堂に展示いたします。
ひとつひとつは掌の上に乗るほどの小さな工芸品ですが、そこからは明治政府が近代国家になるための努力や、日本の伝統文化、当時の工芸における技術力・表現力の高さ、皇室のおもてなしの心などさまざまなものが見えてきます。ぜひこの機会にご覧いただきたいと思います。
〔開催日時〕
平成27年4月4日(土)~平成27年6月6日(土)
平日・土曜 10:00~17:00
*閉室 日曜、祝日、5月15日(金)
*特別開室日 4月12日(日)(オール学習院の集い)
〔開催場所〕
学習院大学史料館展示室(北2号館1階)
*観覧無料
*ギャラリートークが下記の日時に行われます。(各回30分程度、予約不要・参加無料)
4月12日(日) 14:00~
5月23日(土) 14:00~
ご参加の方は、時間までに展示室にお集まりください。
ちらしは以下から。