月の桂

貞明皇后御歌
松島 彜作曲
貞明皇后より昭和9年(1934)5月28日に女子学習院に賜わった御歌。
作曲は元女子学習院音楽教授松島 彜による。女子学習院の奉賀式に奉唱。
女子中高等科で卒業式に歌われている。

代々木の杜に神とます

后(きさい)の宮のたまひ(い)つる

あやにかしこき御教(みおしえ)を

学びの庭の朝夕に

思ひいでてはおのがじし

身の掟をば定めなむ(ん)

みよのめぐみの露しげき

いく春秋(はるあき)をおこたらず

袖をつらねてむつまじく

道の一筋進みなば

高根の花もかざすべく

月の桂も手(た)折られむ(ん)

世にたつ末も姫松の

根ざし忘れずひたすらに

みさを(お)の色を深めつつ

家を斉へ(ととのえ)身を修め

心の鏡みがきえて

御国(みくに)の光添へ(え)よかし