




2006年からカナダ アルバータ大学病院にて肝胆膵・移植外科医として勤務しております。こちらではすでに700例以上の外科手術を経験することができ、特に臓器移植医療の分野では日本が大きく遅れをとっていることを実感いたしております。
こちらでも日本で行っていたのと同様に、患者さんに対して術前、術後に手術や経過についての丁寧な説明を心がけるとともに、できるだけ多く話をする機会を得るために病室を訪れることを心がけております。国籍を越えて患者さんの感謝の気持ちが伝わってくるときほど、嬉しい瞬間はありません。こちらでの感謝の気持ちの表現は握手やハグといった、あまり日本の習慣にはない方法ですが、それにもだんだんと慣れてまいりました。
移植の手術を受けることが出来ればどれだけ多くの患者さんの生命が救えるかを考えますと日本の移植医療の後進性に愕然とする思いであります。
今後、私の北米での経験が少しでも日本の移植医療の状況を変えることに役立ち、日本の医療に貢献できればとの思いを持っております。そして、海外で移植技術を習得した数少ない外科医として、日本が世界に誇れる臨床医を数多く輩出させ、世界に向けての医療を日本から発信できるようにすることが私の役割だと考えております。
学習院中等科、高等科卒業生としての誇りを持ち、これからも努力を続け、少しでも多くの患者さんを救えることができればと思っております。
2012/01/06
アメリカ肝癌膵学会(マイアミ)で発表
肝移植後の患者さんとその御主人と病室にて
肝胆膵・移植外科チーム
手術室にて