目白キャンパスの7つの文化財

学習院が目白に移転したのは明治41年。以来、目白キャンパスに残された最初期の建物7つが、平成21年3月に国の登録有形文化財となった。学習院伝統の学びの心がここにある。

東別館

学習院らしい歴史を秘めた建物がさりげなく佇む・・・大正2年築。旧皇族寮。全寮制だった当時、秩父宮雍仁親王殿下ら皇族たちが若き日々を過ごした。入口には馬車をつける車寄せがある。現在も教室として使われており、木造の感触がノスタルジックだ。

北別館

明治に建てられた図書館 その一部が残されている・・・明治42年築・平成9年改修。旧図書館。東京音楽学校奏楽堂や帝国図書館などを設計した久留正道による。現在は学習院大学史料館として使われている。学習院の古き良き伝統を思い起こさせてくれる目白のお宝。

正門

明治以来同じ佇まい 目白と戸山の学習院正門・・・明治41年築。学習院が目白に移転したときに建てられ、現在も当時のまま使われている。戸山の学習院女子大学の「鉄門」は明治10年の学習院創立当時のもので、昭和48年に国の重要文化財に指定されている。

厩舎

馬場と厩舎が学内にある 学習院はそんな珍しい学校・・・明治41年築・昭和2年移築・昭和58年改修。もとは正門の向かい側あたりにあったものを昭和2年に現在の場所に移築。旧制時代、馬術は武課の授業のひとつ。今は馬術部の学生たちが馬の面倒を見る。

乃木館

乃木希典院長ゆかりのお榊壇も近くに残る・・・明治41年築・昭和19年移築。旧総寮部。目白移転後、6棟の寄宿舎、食堂、衛生棟とともに総寮部として建てられたが、昭和19年の取り壊しの際、故・乃木希典院長の居室部分が移築され、今日まで残された。

南1号館

今は背後に高層の新校舎がそびえている・・・昭和2年築。旧理科特別教場。中・高等科の理科教室として設計されていたため、昭和24年の大学開設後は理学部研究棟となった。現在、南1号舘の裏手には平成21年に竣工した高層の南7号館がそびえる。

西1号館

文系学部出身者には廊下のにおいも懐かしい・・・昭和5年築・同9年増築。旧中等科教場。昭和24年の大学開設後は文政学部の本館となった。外観は南1号館と同様のネオ・ゴシック様式。語学の授業でこの校舎に通った思い出を持つ人も多いはずだ。