ピラ校の記憶

「ピラ校」と略称で呼ばれた校舎の正式名称は「中央教室」。一辺の長さ約30メートル、高さ約25メートルの四角錐(すい)だ。モダニズム建築の先駆者と称される建築家・前川國男氏の建築設計事務所が設計し、1960年(昭和35年8月)に完成した。

ピラ校を壊したのは誰だ!!

 1968年(昭和43年6月21日)TBSがテレビ放映したウルトラセブンの第29話「ひとりぼっちの地球人」では、京南大学という架空の大学の建物として登場。地球侵略をたくらむプロテ星人とウルトラセブンが戦うシーンでは、セブンが過ってピラ校のミニチュアに体当たりし、壊してしまう場面もあった。
 内部は約700人を収容できる教室で、映写室も備える。しかし築後47年を経て耐震、防水工事などに多額の費用がかかるうえ、暖房設備もないなど授業に不向きだとして解体されることが決まった。

「ありがとうピラ校!フェアウェル・ライブ」

解体を前に2008年(平成20年)1月13日にサヨナラ・イベントとして「ありがとうピラ校!フェアウェル・ライブ」が開催され、また「見学会」では一般公開し内外から約5000名の方が来られ別れを惜しんだ。まさに学習院大学のシンボルであった。

【参考文献:ピラミッド校舎の記憶、学習院 目白の学び舎(学習院大学史料館編)】