今の日本経済は、単に不良債権だけが片づいても、銀行の貸出しが増えて、経済が目に見えて元気になることはない。
不良債権問題の主犯は97年の金融不安山一證券、拓銀など大型金融機関の破綻だ。金融問題は一種の癌であり、自然治癒はない。金融不安という地雷源は今も存在し続けている。
日本で一番ダメな産業は、金融と農業だ。日本で最も保護されているという事は、当局の干渉も受けるという業界であって、多年保護されてきた産業は必ずダメになる。金融不安の裏側には、過剰債務の不良企業があって、その企業が安売りをするので、同業他社は経営が苦しくなる。過剰供給が解消されないという問題がある。マイカル、ダイエーは典型だ。
次の構造問題は規制の過剰の問題だ。公共部門がのさばり過ぎて、民間の商売がしにくくなっている。財政、年金、社会保障等将来の展望が描けなくなっているから、将来に対するものの見方が不確実で不安を呼んでいる。政府、当局は、自ら引き受けてヤルという決意をし、規制を含めた公共問題のあり方を考え、政府がやれることは確実にする事だ。正攻法はものすごく時間がかかるが正攻法しかない。
(文責 江島・南坊)