学習院大学新聞(抜粋)
2005年7月4日発行第198号より転載させて頂きました。


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スポーツハイライト
 ●追随を許さず4部優勝 男子卓球
 ●氷上に咲き誇る フィギュアスケート部
 ●意地の残留  ホッケー部女子
 ●争覇戦、2部制す   馬術部

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スポーツハイライト

追随を許さず4部優勝 男子卓球
  立正大を一蹴する
 昨秋、惜しくもリーグ戦優勝を逃した本学。その雪辱を果たす機会がやってきた。平成17年5月28日、29日、千葉大学体育館にて行われた卓球男子4部リーグBブロック。本学は圧倒的な強さをみせ、5勝0敗という堂々たる成績で優勝した。
 立正大との最終戦。この試合に勝った方が優勝という大一番だ。この押し潰されそうな緊張感のなかでも、本学選手たちは自らの力を発揮した。
 第1試合、臼田和哉選手(済1)が立正大のエースにも臆することなく、素晴らしい活躍をみせた。3球目攻撃によるドライブを次々と決め、第1セットを勝ち取る。しかし、続くセットは相手の気迫に押され防戦一方。あっという間に2セットを連取され、窮地に立たされた。
 だが、このまま終わる臼田選手ではない。気合の入ったプレーで第4セットを接戦の末ものにする。そして、圧巻だったのは最終セット。序盤から積極的に攻め、一気に7−0とする。その後も集中力を切らさず試合を終えた。
 フルセットでの勝利に沸く本学。続く早川勇主将(済4)もこの勢いに乗った。出だしからサーブで相手のミスを誘い、終始自らのペースで試合を進める。
 第1セットを危なげなく先取すると、第2セットも持ち味の台上プレーで相手を翻弄。戦局は有利に展開していく。相手も食い下がり終盤同点とされるが、早川選手は慌てない。冷静なプレーを続け、最後は豪快なスマッシュによって2セット目も奪った。
 そうして迎えた第3セットは、早川主将の独壇場となった。相手の動きをよく見た無駄のないプレー。さらには、何本ものサービスエースで点差を広げる。決して無理をすることなく、試合巧者ぶりをみせつけ勝利。本学が王手をかけた。
 そして、第3試合のダブルスが命運を決めた。本学のペアは早川主将と斎藤陽太選手(済3)。両選手とも懸命なプレーをみせる。第1セット、序盤からドライブの打ち合いとなる。激しい攻防が続くが、試合は相手がリードしたまま展開。先にマッチポイントを握られてしまう。それでも本学は諦めない。粘りに粘り、最後は斎藤選手が強烈なドライブを放ち、逆転でこのセットをもぎ取った。
 さらに劣勢に立たされた第2セットも、本学は焦らなかった。リードを許すものの、自分たちのプレースタイルを貫き通す。すると、次第に相手にミスが目立ち始め、点差が締まっていく。最終的にはこのセットも逆転で制した。
 優勝のかかった第3セット。両選手にプレッシャーが重くのしかかる。だが、ベンチからの声が2人を後押しした。部員全員が今まで以上の声援を送る。それに応えるように両選手は得点を重ねた。早川主将がつなぎ、斎藤選手が鋭いドライブを相手コートに打ち込む。最後まで攻め続け、ついに優勝という栄光に辿り着いた。同時に、喜びを爆発させたベンチが2人に駆け寄った。チームが一丸となって掴んだ優勝だった。
 試合後に早川主将は「チームみんなの応援が力になった。チームが団結したから優勝できたのだと思います」とすべての選手をねぎらった。また「喜ぶのは今日だけにしよう」と気を引き締めた。
 悲願の優勝を果たした本学。だが、彼らはここで立ち止まらない。現状に安住することなく、まだまだ上を目指している。本学はこれからも進み続けていくだろう。   (嶋先伸人)

氷上に咲き誇る フィギュアスケート部
 平成17年5月28日、フリースケーティング選手権大会が東大和スケートリンクで行われた。本学はジュニア女子団体Bクラスで優勝の栄冠を手にした。個人では恩田佳枝主将(心4・かえ)が4位、中嶋清香選手(仏4・さやか)が5位、糸井裕子選手(済4)が8位と入賞を果たす。またBクラス男子でも、中野智裕選手(法3)が3位と大健闘をみせた。
 テクニカルメリット14.3点、プレゼンテーション14.9点の中嶋選手は、ゆるやかな滑り出しをみせる。曲は「眠れる森の美女」の序奏。バレエ経験を生かしたスパイラルでジャッジを惹きつける。しかしアクセルジャンプの後、ループループでまさかの転倒。それに引きずられるように、2回目のアクセルジャンプを失敗してしまう。だがその後は持ち直し、キャメルスピンからシットスピン、そしてバックスクラッチで 演技を終えた。中嶋選手は「アクセルジャンプに気を取られて、基本のジャンプをおろそかにしてしまいました」と振り返った。
 恩田主将の演目は「シカゴ」のメインテーマ。豊かな表情と、ところどころでみせる個性的なボーズで存分にアピールし、観客の目を奪う。さらにはアクセルジャンプも決め、絶好調を維持した。ところが2回目のアクセルジャンプでは緊張のためか、着地の際に両足を着いてしまう。しかし続く足替えスピンを見事成功させると、その後もスピードを生かした滑りをみせ、フィニッシュ。テクニカルメリットが15.2点、プレゼンテーションが15.9点と高得点をうち出した。
 だが今回の演技を70点だという恩田主将。「常に自分の演技に満足はしていません。本番には強い方なのに失敗してしまったのが悔しいです」と厳しく評した。
 糸井選手はテクニカルメリット13.5点、プレゼンテーション13.8点を出した。糸井選手の高いジャンプは定評を得ている。ゆったりとした曲調のなか、演技開始直後にアクセルジャンプを披露し、観客からも歓声が上がっていた。
 最後に恩田主将は次なる目標を掲げた。「秋の関東大会だけでなく冬の全日本インカレでの総合優勝も目指します。部内で切磋琢磨して華やかなだけではなく、実力の伴った部にしていきたいです」。
 金剛石のようにお互いを磨き上げる彼女たち。向上心を失うことは決してない。秋にはきっと今よりも眩いほどに輝いているだろう。   (長谷川さよ)

意地の残留  ホッケー部女子
 平成17年6月19日、1部残留をかけた春季リーグの入れ替え戦が、明治大学八幡山グラウンドで行われた。相手は東海大。「絶対に勝つしかない」。この試合への意気込みは、並々ならぬものであった。
 前半、本学はまず先制点を奪うため、作戦通り右サイドから積極的に攻める。ペナルティーコーナーを得るなどチャンスを作るが、なかなか決定打が生まれない。逆に東海大から押される我慢の時間に入り、何度かピンチを招いた。だが気迫のディフェンスで何とか凌ぐ。先制点を手にするための、一進一退のせめぎあいが続いた。
 すると前半25分、3度目のペナルティーコーナーで行田千里主将(営4)が貴重な先制点を挙げた。この得点で本学が勢いづく。前半終了間際の35分にはまたしても行田主将がシュートを決めた。2-0。順調に得点を重ね、試合を優勢に進める。
 続く後半も立ち上がりから本学のペース。徹底した右サイド攻撃で追加点を狙い、守備では東海大の好機の芽を摘んでいく。後半5分、根上慧子選手(日2)が決定的な3点目を奪った。グラウンドに漂う勝利の予感。しかしその直後、一矢を報いようとする東海大の抵抗にキーパーが抜かれてしまう。だが的確なカバーリングで相手を抑えきり、そのまま試合終了。選手や観客から大きな歓声があがった。
 この一戦は攻守ともに作戦が機能し、ボールをほぼ支配し続けた完勝試合だった。だが今季を通して見ると、1勝もできずに降格の危機に立たされていた。行田主将は「来季からは、入れ替え戦に来なくて済むようにしたい。必ず勝ちます」と抱負を語った。
 一方、男子も1部昇格が決まり、来季は男女揃っての1部リーグ。1部の強豪を相手にこれからどんな試合を見せてくれるか、期待が高まる。 (今村隆介)

争覇戦、2部制す   馬術部
 馬が駆け巡る音が聞こえる。平成17年6月11日、12日の2日間、馬事公苑で第75回関東学生争覇戦、障碍飛越競技(しょうがいひえつ)が行われた。
 これは12個の障害を越えていく競技。減点方式で、同点時はタイムで競う。4人の団体戦で勝ち点が同数の場合、総減点で争う。
 第1回戦、相手は昨年優勝した東海大。初戦で競り負け、迎えた第2試合で野村友紀選手(哲4)・皇桜は次々と華麗にバーを飛び越え一気に駆け抜ける。だが、約8秒差で2戦目も東海大の前に屈する。
 第3試合、国本以紗主将(政4・いさ)・翔桜の登場。軽快な走りで障害をすべてクリアし、本学に軍配が上がる。最終戦、先攻の東海大は2落の80.09秒で通過。勝敗の行方は山口朗子選手(哲3)・和桜に託された。駆け出しの2つ目の障害を失敗。リズムを整えるも9つ目も落としてしまう。もう後がない。しかし、そんな周りの不安をよそに残りの障害を鮮やかに決めていく。あと3つ、2つ、1つ・・・。64.82秒。2−2、総減点16−247で見事逆転勝利を収めた。
 第1回戦の勝利の波に乗り、準決勝では法政大をストレートで下した。そして自信を持って迎えた決勝戦。相手は本学と互角の慶応大だ。同大は3反抗で失権し、本学が初戦を制す。しかし続く2、3戦目は本学のミスで慶応大の手に渡った。敗北の文字が頭をよぎる。そんな状況下でも山口選手は落ち着きをみせた。
 最終戦先攻、山口選手・翔桜。何も考えず、馬の邪魔をしないよう、ただ息を合わせるだけ。完壁な飛越を披露した。最終走行者は昨年、関東学生障碍飛越競技で2位を収めた相手だ。緊張感が漂う。だが慶応大はプレッシャー負けしたのか1落。その時、本学の張り詰めた空気が瞬時に解けた。2−2、総減点16-300。本学はまたも大逆転。2部優勝を手にした。
 試合後、国本主将は「よい走行で満点を、との思いが2部優勝につながりました。他大は経験者が多いのですが、練習すれば大学から始めた人でも勝てる、と後輩に示せてよかったです」と嬉しそうに語った。
 今試合で山口選手は2部のMVPに輝いた。馬術部はさらなる挑戦へ向かい駆け上がる。(平峯さとみ)