この「学習院元気プロジェクト」の目的は2つある。ひとつは、男子中等科・高等科、女子中等科・高等科、女子大学、大学の学生を対象として、参加者の自発的互助により、厳しい環境におけるスポーツ活動を実践し、この活動経験を通じて精神・身体の鍛錬および真の意味の一貫教育を達成するために学習院生の一体感醸成を行うことである。もうひとつは学習院内外への学習院生の元気さのアピールである。しかしながら、前者に関しては、下見の時期の問題で情報を流す時期が遅れ、そのためプロジェクトに積極的な精神的支援をいただいた大学から、大学院生1名、科目等履修生2名を含む学生のみの参加となった。
参加者は、男子学生10名、女子学生5名で、スタッフは上田(経済学部)、佐藤(スポーツ健康科学センター)、横山(計算機センター)、渡辺(理学部)の4名とJTBスタッフ2名だった。
プロジェクト期間は、8月4日より8月13日であり、前後は稚内に宿泊し、フェリーでサハリンを往復した。全員無事走行し、体調管理もまずまずであった。
このプロジェクト達成により、後者の目的である院内外に明るい話題を提供し、かつ従来非常におとなしいイメージし
か持たれていなかった学習院の活力を、マスコミ等を通じて内外にアピールし、元気なイメージを付加していくことはある程度達成できたと思われる。また引き続いての報道でその拡大が可能であると思われる。帰国の8月13日時点では、読売新聞に2度採り上げられている。
プロジェクト実行を通じて、参加者による、サハリンの日本関連史跡を見学することを通じての日本・ロシア問の歴史的認識、サハリン2プロジェクトLNG基地訪問による日本のエネルギー事情の理解、サハリン州内の道路を数日間で約200kmをサイクリング走行することによる精神力・肉体の鍛錬・一体感の醸成、サハリン大学学生との数日間にわたる深い交流による国際的な理解、そしてサハリン州内の2つのテレビ局による「学習院元気プロジェクト」の放映によるサハリンでの学習院の知名度向上が達成できたと思われる。もちろんこれらを通じて参加者の視野は広がり、その結果が非常に強化されたことは言うまでもない。
学習院生にとり、不慣れな厳しい環境に身を置き、ある程度苦労を経験することになったが、伴走車をつけるなど安全面に最大限注意を払い、参加者にとってはハードな中にも楽しく、よき想い出となったことは確かであろう。
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