平成15年12月1日発行第83号より抜粋

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波多野敬雄女子大学学長インタビュー
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留学生報告

鎌倉桜友会誕生

新刊紹介


ベッカーから環境政策へ
桜友会スカラーシップ第5回生 岡村りら


1991年3月 学習院女子高等科卒業、 1995年3月 学習院大学文学部ドイツ文学科卒業、 1996年4月〜1998年2月 ハイデルベルク大学留学、 1999年4月〜2001年3月 学習院大学大学院政治学研究科博士前期課程、 2001年4月〜 同研究科博士後期課程、 2002年10月〜 桜友会スカラーシップ留学生としてドイツベルリン自由大学へ留学

ドイツに来て
 昨年の10月より、ドイツ・ベルリン自由大学の政治学科において博士論文執筆のための調査・研究をしています。
 ベルリンは1990年の東西ドイツ統一後、再びドイツの首都として返り咲き、現在はドイツ政治の中心としてだけではなく、ヨーロッパ大陸においても西欧と東欧を結ぶ重要な拠点となっています。

 統一後かって東西を隔てる壁があった場所にはモダンな建物や施設が次々と建設され、日々ダイナミックな変貌を遂げています。その一方で世界遺産にも指定されている博物館の島、ブランデンブルグ門、国会議事堂や大聖堂など歴史的建造物が点在する地区を歩けば、プロイセン時代から引き継がれている伝統を身近に感じることができます。文化的にも非常に恵まれており、国立オペラ座を筆頭に3つのオペラハウスを有し、ベルリンフィルハーモニーや劇場では毎日のように様々なコンサートや舞台を楽しむことができます。ベルリン映画祭や演劇祭、パレードなどの催しものが開催される時には、世界中から訪れる観光客の熱気につつまれ飽きることがありません。
 ベルリンに来てはや一年が経過しましたが、以前にも一年半、ハイデルベルク大学に留学していたことがあり、このように二度もドイツに留学しているため、「どうしてそんなにドイツに興味を持つようになったの?」と聞かれることが多いのですが、そもそも私がドイツに惹かれ始めたのは研究とはまったく別のことがきっかけでした。

テニスのベッカーへの憧れが
 私は小さい頃からテニスが好きで、小、中、高、大学とテニス部に所属し朝から晩迄ボールを追いかける毎日でした。その当時世界のトップトーナメントではウインブルドン大会を史上最年少で制覇し、センセーショナルなデビューを果たした、ボリス・ベッカーというドイツ人選手が活躍していました。そうです! 私の憧れのテニス・プレイヤーがベッカーだったのです! もしベッカーがドイツ人ではなかったら? 今頃私はまったく違った人生を歩んでいたかもしれません。
 ベッカーに出会うまで私にとってドイツはまったく縁遠い国で、ビール・ソーセージ・ベートーベン・・・くらいの知識しか持ち合わせていませんでした。ベッカーのファンになってからは、ドイツの歴史や政治についての本を読むようになり、除々に「ドイツ」という国に興味を持つようになりました。
ドイツ人のゴミとの付き合い方
  大学二年生の夏、語学研修のためにドイツを訪れました。生まれて初めてドイ ツの地に降り立った時、何もかもが新鮮で驚きの連続でした。ビールが水より安く、マクドナルドでもごく当たり前にビールが買える、タクシーやバス、そしてゴミの収集車にまでも高級車"メルセデス・ベンツ"のマークがついている・・・等々数え出したらきりがありません。
 しかし何よりも強烈に印象付けられたのが、ドイツ人の"ゴミ"との付き合い方でした。当時すでにドイツではゴミの分別システムが整っており、空き瓶もその色によってきちんと分け、生ゴミも大半を肥料として再利用するという徹底ぶりでした。今から10年くらい前のことですから、日本ではまだリサイクルという言葉は耳にしてもゴミを分別するなどということはほとんど行われていなかったと思います。その当時からドイツでは買い物をする段階から、なるべくゴミがでないような工夫がなされていました。ドイツで日常生活を送ることによって、それまでは美しいと思っていた包装が過剰なものであり、便利だと思っていた買い物用ビニール袋が、実は自分の家のゴミを増やしているだけであることに気付かされました。それまではごく普通に感じていた日本のシステムが、他の国と比較すると当たり前ではないこと、そして自分が日本のことに関して知らないことも多かったことに、とてもショックをうけたのを今でもよく覚えています。その時の疑問、驚きなどを通して得た経験が現在の研究テーマ=日独の環境政策における比較=の基盤となっています。
環境政策の発展を導き出す
 修士論文では環境政策の中でも廃棄物政策を中心に研究していましたが、ベルリンで私の受け入れをしてくださっている教授に「温暖化政策における日独の協力が今後重要度を増していく」とのご指摘をいただき、現在は温暖化関連の授業を中心に受けています。
 廃棄物や温暖化などの環境問題は、私たちの生活と深く結びついているため、社会のしくみや産業構造自体を環境負荷の少ないものへと転換し、国民のライフスタイルを見直すことが不可欠です。
 博士論文の中心テーマは「社会の変革とむすびついた環境政策」であり、「社会改革を呼び起こすためにはどのような政策手法が有効か」という観点でドイツと日本の政策比較を行いたいと考えています。学術的にまだあまり研究されていない新しい分野の上、ドイツと日本二ヵ国分の調査を行う必要があるため、かなりの時間と労力がかかると思いますが、今後の環境政策の発展を導き出せるような、新しい視点を持った論文を執筆できるよう頑張りたいと思っています。


鎌倉桜友会誕生

 この度、新しく鎌倉、葉山および逗子を中心とした鎌倉桜友会が発足しました。
 11月8日(土)午後5時より鎌倉パークホテルにおいて180名の新会員が出席して設立総会が開催され、初代会長に仙波二郎氏(27文政)及び役員、幹事が選出されました。
 引き続き記念パーティが開催され、新会長の挨拶の後、亀井会長より祝辞と桜友会旗の贈呈、田島院長の及び石波鎌倉市長の祝辞があり、長谷川神奈川桜友会会長の乾杯の音頭で会が始まりました。ハワイアンバンドの演奏や福引もあり、満員の盛況のもと楽しい語らいの中で夜遅くまで華やかな時が過ぎて行きました。


新刊紹介
著書・俳句と詩の交差点
著者・小澤克己(48経)
   発行所・東京四季出版
   定価・2500円
著書・相手の「ホンネ」を知る技術
著者・植西 聡(44経)
     発行所・角川書店
     定価667円
著書・こころ晴れ晴れ ほっこり曜日
著者・松島エリ(55短国)
   発行所・清流出版
   定価1400円
著書・女たちの熱き戦い・・・アメリカ政治の頂点に立つ九人の物語・・・
編著者・Catherine Whitney 訳者・小倉慶郎(62英修)
    発行所・近代文芸社
    定価2300円
著書・句集 春の庵
著者・小澤克己(48経)
   発行所・北溟社
   定価2600円
著書・「鎌倉」とはなにか 中世、そして武家を問う
著者・関 幸彦(50史)
    発行所・山川出版社
    定価2000円
著書・医事法制と医療事故
著者・三藤邦彦(名誉教授)
    発行所・信山社出版
    定価26000円
著書・ブランド!ブランド!ブランド!
著者・ダリル・トラヴィス
訳者・木村達也、水野由多加、川村幸夫(51英)

    発行所・ダイヤモンド社
    定価1800円
著書・バターン 遠い道のりのさきに
著者・レスター・T・テニー
記者・伊吹由歌手(中高非常勤講師)、奥田愛子、一柳由美子、古庄信(54英、女大教授)

定価2700円
著書・ミセスバレリーナ・・・幸せ色のあした・・・
著者・新倉真由美(52仏)
    発行所・新風舎
    定価1200円
著書・モーゼスおばあさんの四季
編者・Wニーコラーリサ
訳者・加藤恭子、和田敦子(42英)

    発行所・BL出版
    定価1500円
著書・挽夏渺々
著者・二宮洋太郎(29政)
    発行所・新風舎
    定価1200円
著書・アメリカ臨床医物語 ジャングル病院での18年
著者・中田 力(43高)
    発行所・紀伊國屋書店
    定価1500円
著書・情報と人間
著者・回陽博史(35物)
    発行所・オーム社
    定価2200円
著書・ハーブインストラクター講座(I)
編者・浅野三千秋(31化修)
    発行所・いしずえ
    定価2800円


PDFファイル 292KB 各部行事予定(2003/12〜)。このPDFを見るためにはアクロバットリーダー4.0以上のバージョンが必要です。最新のアクロバットリーダーはアドビ社のウェブサイトからダウンロードできます。